光化学反応システム
有機化学への光放射エネルギー(可視光を含む)の利用は、自然界における植物の炭水化物の生成に代表されるように古来から私たちの生活を支えています。現代では反応プロセスの短縮等を理由に光反応装置としてファインケミカル分野に採用され、身近な製品の原料製造を担っています。
光化学反応システムは二重構造型ランプを採用し、反応釜等リアクター内部に浸漬させられるよう設計されており、一本当たり最大50kWの大出力ランプによる大量の光反応を実現させています。
本システムはユーザー様毎に個別の設計となります。
特徴
光子1mol当たりのカロリーは数kcalから数100kcalであり、紫外域の場合、分子の結合分離エネルギーに匹敵します。
高効率
光反応は励起された分子の反応で、熱反応は基底状態の分子の反応です。したがって、普通の合成法では何段階も反応を重ねなければならないものが、光反応では短縮できます。
大量反応
光は波長によりエネルギーの選択が可能なため、有効なエネルギーを大量に与えることにより、特定の光反応を進めることができます。
低温度反応
光反応では熱的に不安定なものでも、低温の温和な条件下で反応を進めることができます。
光化学反応用ランプ種類
種類 | 特性 |
---|---|
近紫外線用水銀ランプ | 主波長365nmの一般的なランプ |
遠紫外線用水銀ランプ | 低波長域をより多く放射します |
インジュームランプ | 主波長451nm |
タリウムランプ | 主波長535nm |
※対応光源の出力は実験用400Wから1灯出力最大出力50kW迄(お問い合わせください)
※各種波長カットフィルター等も対応可能
分光分布図例
システムタイプ
本装置の反応釜への設置にあたり、2通りのシステム構成があります。
一般形
防爆形
用途
主にプラント内の反応釜に設置し、原料生産,水処理に使用されています。
ナイロン原料、農薬、藥品、染料、香料等の一般有機合成
光ニトロソ反応や塩素化反応
半導体製造用超純水処理、上下水処理、バラスト水処理